> なんだよ、ハナから高麗仙人が解釈すればよかっ
> たんじゃないか。
ではアンコールいたしまして、第二幅をば…。
> 「読めなくても絵として見てくれればいい」
> とのたもうた。
なるほど、猿が遊んでいるようにも見える文字を
お書き(描き)になりましたなぁ。
このお方、儲かっているの?
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
第二幅の句
漢詩には平仄(ヒョウソク)というものがある。
それは、起句・承句・結句の最後の一字に韻を含ま
せることで、転句だけは除外している。
(例)「-n」の平仄を含む、たいていの料理屋にあ
る詩
月落烏啼霜満天(ten)
江楓漁火対愁眠(min)
姑蘇城外寒山寺(ここは平仄を含まない)
夜半鐘声到客船(sen)
この詩の韻は「-en」であり、日本語での平仄は
苦しいが、中国語で発音すればスンナリ「-en」
で通るのだ。
だから高校では漢文の老先生が、枯れた美声を
張りあげてお手本を示してくれた。
漢詩一つに50分もかけて生徒の脳みそにに刷り
込んだのであった。
では問題に戻ろう。
漢詩の平仄(ヒョウソク)を考慮すれば、解読不能の
文字は「選」「辿」「還」「遷」「遍」……のよう
な文字で、いずれも発音語尾が「-en」となるべきで
あります。
□□□□□遍(hen ken ten nen sen)
□□□□□鮮(sen)
□□□□□□(ここは平仄を含めないきまり)
□□□□□泉(sen)
解釈:南山ハ寿色ニシテ快綺遍(アマネ)ク
南山全体は赤く染まり、織りなす綺(アヤ)
が心地よい
アタリかな?
ハズレかな?
そんなことより、起句の意味さえわかれば後は各人
のセンスで鑑賞できるであろう。
あたしのお気に入りの部分は転句で、
天地百年風月ヲ談ズ
だ。これはイイ。ビンビンくる。
天の月と地の風が、百年も情趣を話し合った結果が
眼前の景観なのだ。
風月ってのは情趣の代名詞でもあり、天と地の自然
をあらわす言葉でもある。
仙人にピッタリの語句ではないか。
和菓子の「風月堂」というのも大好きサ。
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