2007年9月27日木曜日

高齢の追憶(52)・お布団読書

布団の中で本を読むクセが昂じて、また新しい中古
本を購入してきた。

 龍臥亭事件上・下(島田荘司)

1996年にカッパ・ノベルス(光文社)から発行。
その後1999年に光文社文庫として再発行されたもの。
上下各570頁のボリウムだから、1140頁の大巻。
これで上下巻揃って¥500円(新刊の三分の一)。

さて開いてみると…表紙側奥付に著者の達筆な自署
があった。

 故・高木彬光氏に
      島田荘司

…ほう、高名な高木彬光氏の遺族に渡ったものらし
い。中古本なんだから、期待せずに下巻の奥付も確
認してみると、こちらは

 神津恭介氏に
      島田荘司

となっていた。
拾いモノだった。
本を発行すると、売れれば印税売れねばゴミの山に
なるんだってね。「勝てば官軍負ければ逆賊」みた
いなもんでっしゃろ。

その内容…。
岡山県 伯備線 新見 津山行き 姫新線 貝繁
が出てくる。あれあれっ、と思ったね。
伯備線はディーゼルカー牽引で、姫新線に乗換える
と客車の照明は裸電球、乗客は中高校生とくる。
狐狸庵先生が以前に説明してくれたとおりの描写で
ござんす。

霊感に導かれるまま乗った終バスの運ちゃんの言葉。

「お客さん、どこまで行くんかいのォ」
「川て、なにいう川?」
「旅館いうもんは、ないなー。昔はあったけど、
 今はもうあの駅前の貝繁旅館しかないわなぁ」
「貝原峠でええですかいなー」
「まぁわしらなら行かんわなー、こうな夜中に」

深夜の設定だが、こんなのどかなやりとりを読んで
いると、狐狸庵先生の文言も浮かんできて、旅の予
習になる。
しかしだねー、この推理小説は「八ツ墓村」の現代
版じゃなかろうかと思った。
まだ100頁も読み進んでいないが、"多治見要蔵"の姿
を髣髴とさせる肖像画が出てきたぞな。

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